自作 回転台







 フィギュアのディスプレイ用回転台が欲しくなり、手元にある部品だけで作ってみました。

 専用のものが二千円弱で売っているようなので素直にそれを買っても良かったのですが、タイマーICを使った模型用DCモータの速度制御を試してみたくなり、自作することにしました。
 

 

 



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 まずモータ周りの回路をブレッドボードで作り、ファンクションジェネレータでパルス入力して周波数とモータの回転具合を軽く調べました。
 周波数高めだと動作音が結構うるさいので、20kHz以下の低周波で作ることにします。
 発振回路をブレッドボードで組んで動作確認後、ユニバーサル基盤にハンダ付けしました。
 ケースなどはとりあえず手元にあるもので製作しました。



左:裏側から、右:横から

 ギヤーボックスはタミヤ4速クランクギヤーです。ギア比は 1543:1 です。このギアボックスはギア比 5402:1 まで上げられますが、手持ちのはタミヤショベルドーザー工作基本セットに付属のものの使いまわしで、ギア比変更が困難そうだったのでそのまま使いました。
 回転台は焼き損じたDVD-Rメディアです。
 ケースはダイソーのシステムボックス(クリア)Mサイズです。
 電源は単三電池2本です。
 スイッチと電池ボックスは後でどうにかするつもりでそのまま…。


 
回路部分(ユニバーサル基盤)

 回路はシンプルです。
 発振はタイマーICのNE555です。
 データシートではNE555の動作電圧は4.5〜16Vですが、3V(エネループ2本の2.4V)でも動作しました。
 可変抵抗(VR)で速度を調整します。
 モータ用トランジスタは手元にあった2SD1843を使いました。データシートを見るとコレクタ電流(Ic)は1Aのようです。こだわるならIcの高いトランジスタを使ったり、FETを使っても良いかもしれません。今回の用途ではそこまでパワーは必要ないのでこれで十分です。

回路図

回路図

 NE555のVcc-7pin間の抵抗値をR1、7pin-6pin間の抵抗値をR2、6pin(2pin)-GND間のコンデンサ容量をCとすると、

 発振周波数f、1周期の出力がH(high)の時間T(H)、L(low)の時間T(L)は、
    
となるので、R1=100kΩ、R2=1Ω、C=1マイクロFとすると、(※)

 f=14.4(Hz)、T(H)=69.3(ms)、T(L)=0.693(マイクロs)

となります。
(※)VRをまわし切ったときの状態で、計算が簡単になるようR1とR2の値を定義しました。

 今回の回路は出力が反転するので、モータの回転時間はT(L)になります。

 発振周波数が低いので回転は少々カクカクした感じになります。ススス…と滑らかに回転するのを想像しているとガッカリするかもしれません。
 高周波で一度試してみましたが音が出てうるさいので低周波にしました。

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 ケースに不満があったので変更しました。



 ダイソーの密封容器丸型400ml 2Pを使いました。
 中に基盤と電池ボックスも収納しています。
 側面の黒い部分がスライドスイッチです。



 飾りたいセガプライズのフィギュア台座の直径が10cmだったので、12cmディスクの天板が丁度良い具合です。
 ギアボックスのギア比が大きい(トルクが大きい)ので電池を積んだエアロアールシーでも問題なく回転します。

 ついでにもう少しゆっくり回転するように回路も少し変更しました。
 といっても、Vcc-7pin間に100kΩの抵抗を追加しただけです。
回路図

この場合、R1=200KΩとして、

f=7.2(Hz)、T(H)=0.139(s)、T(L)=0.693(マイクロs)

になります。

 あまりゆっくりに調整すると、電池残量が減った時にモータが回りきらず、天板の回転が止まってしまいます。トランジスタに負荷が掛かって最悪燃えてしまうかもしれないので一応、注意が必要です。

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動画


自作 回転台 動画


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 製作にあたり、フィギュア用回転台(ターンテーブル)を調べてみると、市販の小型模型展示用回転台はメカ部分にアナログ時計の機構を使っているようです。秒針の回転を台の回転にするんですね。時計といっても1秒毎にカチカチ動くのではなく、ススス…と秒針が回転する連続秒針のものを使っていると。
 ただ、時計は秒針を回せばいいのですが回転台となると物を載せて回転させる力が必要になるため、トルクが出るように設計されているようです。

(2012年10月25日)
 

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